Raspberry Pi Picoについての考察
Meet Raspberry Silicon: Raspberry Pi Pico now on sale at $4 - Raspberry Pi
Raspberry Pi Picoが昨日(21時)に発表されました。
個人的にとても興味を持ったので、ラズベリーパイの公式のブログとドキュメントを読んで気づいたことをいくつか書き残そうと思います。
高校生の拙い英語力で読んでいるので間違っている点などがあれば教えていただきたいです。
概要
Raspberry Piから発表された新しいマイコンです。
$4、日本円で550円と、とても安いです。
C/C++、Micro Pythonでプログラム可能です。
他のRaspberry Piと違い、LinuxなどのOSをインストールすることはできません。
USBでパソコンと接続すると、USBマスストレージとして認識されるそうで、UF2のフォーマットのファイルを書き込むことができるようです。
このUF2というのは公式ブログに書かれており、UF2のリンクはUF2とはなにかについて自分で検索して見つけたのでそのUF2がRaspberry PiでのUF2であるか確証はないですが、おそらく正しいと思います。
Microsoftが作ったマイコンにプログラムを書き込むためのファイルフォーマットのようです。
このあたりを考えるとmbedにとても似ている気がしますが、今のところmbedに対応していると書いてあるものは見つけられていません。
スペック
- Dual-core Arm Cortex-M0+ @ 133MHz
- 264KB (remember kilobytes?) of on-chip RAM
- Support for up to 16MB of off-chip Flash memory via dedicated QSPI bus
- DMA controller
- Interpolator and integer divider peripherals
- 30 GPIO pins, 4 of which can be used as analogue inputs
- 2 × UARTs, 2 × SPI controllers, and 2 × I2C controllers
- 16 × PWM channels
- 1 × USB 1.1 controller and PHY, with host and device support
- 8 × Raspberry Pi Programmable I/O (PIO) state machines
- USB mass-storage boot mode with UF2 support, for drag-and-drop programming
Raspberry Pi Picoの立ち位置として、比較対象になるのはmbedのマイコンやSTM32だと思います。
まず、スペックの良し悪しを考える上で前提となるのは値段です。公式では$4、日本ではスイッチサイエンスが550円で販売するそうです。
ArmのCPUを2コア搭載しています。
133MHzですが、これは良いと思います。秋月電子で売っているもので比較すると、周波数だけで見ればSTM32F446REがNucleoで一番周波数が高い180MHz、チップ単体で売っているものとしてはSTM32F405RGT6が168MHzでそれぞれ1980円、1000円であることを考えるとコスパは高いのではないでしょうか。価格帯が近い、400円のmbedLPC11114FN28が50MHzなので、比較するとRaspberry Pi Picoのほうが周波数は高いです。
I2CやSPIの数は普通だと思います。
気になるのは、ADCが4つしかないことです。ADCはアナログのセンサーの値を読み取るのに使うと思いますが、Arduino Unoに搭載されているAtmega 328P(秋月で210円)が6チャンネルであることを考えると少し少ない気がします。秋月電子でADCが12bit、8チャンネルでSPIで繋げられるもの(秋月で300円)で売っており、そういったもので増設できることを考えれば妥協できる点ではあるかもしれません。(使ったことはないのでわかりませんが。)
他のメーカーとの提携
Adafruitからバッテリー用のコネクタがついたりMicro USBがUSB Type-Cになったりしたものも発売されるようです。
また、Arduino Nano RP2040 Connectという、9軸の加速度センサー、ECC608暗号チップ、Wi-FI/Bluetoothモジュールがついたバージョンも発売されるようです。
IoT向けのようで、M5やESP32と比較してどうなるのかが気になります。
Raspberry Pi(Linux)との連携
ドキュメントでは、Raspberry Pi 4Bで開発することを中心に説明されていました。Raspberry Pi PicoのデバッグピンをRaspberry Pi 4BのGPIOにつなぐことでほかのデバッガーを接続することなくデバッグできるのは4BとPicoの連携ならではだと思いました。
その他
castellated edges
なので直接基板にはんだ付けできるといったことも書いてありました。
ドキュメントの作成にも力を入れているそうで、本も英語のものが発売されているようです。
USBはホストにもデバイスにもできる、と書いてありPro Microの代替にもなり得るのではないかと思いました。
感想
Raspberry Pi Picoはかなりコスパが良く、いろいろと楽しみだと思いました。
おまけ:面白かったこと
It seems like every fruit company is making its own silicon these days, and we’re no exception.
という文が公式ブログ内にあったのですが、every fruit company
というのはおそらくAppleのこと(Adafruitも?)だと思うのですが、表現が面白いなと思いました。
また、スペックの所に書かれていた、
264KB (remember kilobytes?) of on-chip RAM
というのも、Raspberry Pi 4BのRAMが4GB,8GBのものが発売されているので、それに比べるとかなり少ないPicoのRAM容量をおもしろおかしく表現しているのではないかと思います。